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田中 知*
JNC TJ8400 2000-003, 62 Pages, 2000/02
放射性廃棄物処分システムの性能評価にとって、セメントの溶解に伴い放出されるコロイドの核種移行への影響を解明することが重要であると考えられている。昨年度、OPCや低アルカリセメントペーストを浸漬した溶液中での微粒子の確認およびそのキャラクタリゼーションを行った結果、濃度が低いもののコロイド粒子の放出が見られた。本年度はコロイド粒子放出の再現性を確認するために、昨年度と同様の実験を行った。また、流水とOPCや低アルカリセメントが接触している場合のコロイド粒子の放出挙動を調べた。さらにコロイドが流出した場合の移行バリア材の模擬物質としてアルミナ粉末を用い、そのバリア効果を調べた。その結果以下の事柄が明らかとなった。1)セメントペーストを浸漬した溶液中には、シリカコロイドやCaCO3と考えられる粒子の存在が確認できた。しかし、その濃度は5ppm以下であり、非常に低いことがわかった。よって昨年度の結果の再現性が確認できた。2)セメントペーストに通水するとコロイド粒子が流出することが確認できた。しかしその濃度は低いことがわかった。3)バリア材料の模擬物質として用いたアルミナ粉末により、アルミナ粉末の粒径が200150mの場合にコロイド粒子の移行が一部阻止できることがわかった。